競馬には様々な理論が存在しますが、今回はドーベルちゃんねるのメソッドであるリスグラの法則を紹介します。
リスグラの法則とは
結論から言うとリスグラの法則とは、名牝リスグラシューのキャリアをヒントに、「若い時期に惜敗した馬が、古馬になって覚醒する」 という成長パターンを活用した予想法です。
リスグラシューは3歳時にGⅠで何度も惜敗しながら、4歳秋に本格化。エリザベス女王杯、宝塚記念、コックスプレート、有馬記念を制覇し、歴史的名牝となりました。
このリスグラシューの成長パターンは他の馬にも見られ、「リスグラシュー型」の馬を見極めることで、世間がまだ気づいていない大物の絶好の買い時がわかり、馬券妙味を狙うことができます。
リスグラシューの成長曲線を振り返る

リスグラシューのG1成績を年齢順に見ていきましょう。
2〜3歳
- 阪神JF 2着
- 桜花賞 2着
- オークス 5着
- 秋華賞 2着
- エリザベス女王杯 8着
GⅠで常に善戦する安定感を見せましたが、勝ち切れないというイメージが先行していました。
4歳
- ヴィクトリアマイル 2着
- 安田記念 8着
- エリザベス女王杯 1着
- 香港ヴァーズ 2着
秋に府中牝馬Sで2着のあと、エリザベス女王杯で悲願のGⅠ制覇。スタートで出負けせず、スムーズに中団のポジションを獲ることができました。
5歳
- クイーンエリザベス2世C 3着
- 宝塚記念 1着
- コックスプレート 1着
- 有馬記念 1着
GⅠを3連勝!特に宝塚記念では、それまで見せることのなかった2番手で先行する競馬を展開し圧勝。馬が完成してポジションを取れるようになり、誰も手がつけられない無双状態でした。
リスグラの法則3つのポイント

リスグラシューの成長曲線がわかったところで、続いては具体的にチェックすべきポイントを3つ紹介します。
① 2〜3歳時にGⅠで惜敗している馬をチェック
リスグラシューのようにGⅠで2着・3着が多い馬は、能力はあるものの、成長が追いつかず勝ちきれないことが多いです。
- GⅠで複数回、勝ち馬と0秒5差に走った経験がある
- 上がり3位以内を記録しているが届かず惜敗
- 展開不利や馬場が合わず負けた
➡ このタイプの馬は、キャリアを重ねて劇的に成長する可能性大!
② 4歳春までは「惜敗型」でも、4歳秋に爆発する馬を狙え
成長途上で勝ちきれていない馬 を見極めることが重要です。
- 馬体がまだ完成しきっていない
- 斤量が増えて苦戦
- 揉まれる競馬になると力を出せない
➡ こうしたタイプの馬が、成長とともに完全覚醒する!
③ 課題を克服できる馬をチェック
3歳時は斤量などの恩恵があるが、古馬になりフラットな条件となって苦戦する馬がいます。課題を克服し、成長を見せる馬を見極めることが重要です。
- 4歳以降に斤量増をものともせず好走する
- 筋肉量が増え、パワーアップする
- 自在性が増し、展開に左右されにくくなる
➡ パワーアップして、斤量やポジション取りなど課題を克服した馬を狙え
リスグラの法則に該当する過去の名馬
ラブリーデイ
ラブリーデイは2015年JRA賞最優秀4歳以上牡馬に選出された名馬です。同年、宝塚記念と天皇賞秋を制覇、年間重賞6勝という素晴らしい成績をおさめました。
クラシック時代のラブリーデイは、皐月賞15着、ダービー7着と結果を残せませんでした。
しかし、ダービーでは勝ち馬キズナと0秒4差と決して大敗ではなく、さらに上がり3ハロン33.9秒の鋭い末脚を繰り出しました。このタイムはメンバー中3位タイで、上がりだけなら2着エピファネイアと同じ。すでに素質の片鱗を見せていたと言えます。
そんなラブリーデイが本格化したのは5歳でした。中山金杯で重賞初勝利を飾ると、次走の京都記念ではキズナやハープスターを撃破して重賞連勝。その勢いのまま、同年の宝塚記念と天皇賞秋でGⅠを2勝し、JRA賞最優秀4歳以上牡馬に選出されました。
急激な成長を遂げた姿に、管理する池江調教師は「筋肉量が増えた、キングカメハメハのようになってきた」とコメント。馬体の完成とともに、一気に時代のトップホースへと駆け上がりました。
- ダービーで才能の片鱗を見せていた
- 馬体が完成し、一気に覚醒
クロノジェネシス
クロノジェネシスは秋華賞でGⅠ初勝利。古馬になると宝塚記念を連覇、有馬記念を勝利。グランプリ3連覇というスピードシンボリ、グラスワンダーに次ぐ史上3頭目の偉業を達成し、2020年JRA賞特別賞を受賞しました。
2〜3歳春の世代GⅠでは、2着1回、3着2回と安定した成績を残しながらも、あと一歩勝ち切れず。しかし、特に桜花賞では厳しい不利を受けながらも、上がり3ハロン32秒台の驚異的な末脚を発揮し、その実力を証明しました。
3歳秋に本格化すると、秋華賞を制覇。その後、古馬になっても安定感は抜群で、グランプリ3連覇という偉業を達成しました。宝塚記念や有馬記念では、コーナーで絶妙な立ち回りを見せ、「レースを支配する」走りで圧倒しました。
クラシック時代から自在な脚質が武器でしたが、古馬になってからはそれだけでなく、レースの流れを完全にコントロールできる存在に。
牝馬のグランプリ連覇は決して容易ではなく、その偉業はJRA賞特別賞に選出されるのも納得。見事なパフォーマンスで競馬界を大いに盛り上げてくれました。
- 世代GⅠで2〜3着続きだが、上がり3位以内の能力の高さを見せる
- 古馬になって勝負どころで動ける支配力が身についた
リスグラの法則に該当する「現役馬」
ここまで、リスグラの法則についての説明、それに該当する過去の名馬を紹介してきました。
ですが、皆さんが気になるのは「現役馬だとどの馬が当てはまるの?」ではないでしょうか。今回は、リスグラの法則に該当すると言える現役馬を2頭紹介します。
ステレンボッシュ
桜花賞を制し、すでにGⅠタイトルを手にしているステレンボッシュ。しかし、この馬の本質は中距離型である点がポイントです。
クラシックではオークス2着、秋華賞3着と惜しくも勝ち切れませんでしたが、いずれも上がり3位以内をマークし、確実に末脚を発揮。安定したパフォーマンスを見せていました。
クラシック後は、古馬との初対戦となる香港ヴァーズへ挑戦。大外枠からのスタートで最後方に構え、コーナーでは外を回るロスの多い展開。それでも直線ではしっかり伸び、内を立ち回ったジアヴェロットとドバイオナーに差されながらも3着を確保しました。
海外の古馬GⅠという厳しい舞台で、不利がありながらも能力の高さを示した一戦だったと言えます。
古馬になれば、斤量増や厳しいペースへの対応が課題となるかもしれません。しかし、馬が完成し、前で流れに乗る競馬ができるようになったとき、間違いなくGⅠを勝てる器です。
そのキャリアや成長曲線は、リスグラシューと重なる部分が多いと感じます。今後どのローテを歩むかは未知数ですが、もし秋にエリザベス女王杯へ向かうなら、ぜひ大きく勝負してみたい一頭です。
タスティエーラ
ダービーを制した実力馬でありながら、世間では「低レベルなレース」と評価されているタスティエーラ。その後、菊花賞2着、有馬記念6着で3歳シーズンを終え、4歳初戦の大阪杯では11着、天皇賞春でも7着と結果を残せていません。
確かに、これでは「最弱世代のダービー馬」と言われても仕方がないかもしれません。しかし、僕の見解は違います。
タスティエーラの世代には、3歳で完成するタイプの馬が少ない印象です。実際、タスティエーラの父サトノクラウンも3歳時は皐月賞6着、ダービー3着、天皇賞秋17着と、GⅠでは足りない存在でした。
しかし、4歳冬の香港ヴァーズでGⅠ初制覇を果たすと、翌年には宝塚記念を制し、天皇賞秋でも2着。キタサンブラックのライバルとして存在感を示しました。
タスティエーラも4歳秋に入ると、天皇賞秋2着、香港C 3着と善戦を続けており、そのキャリアは父と重なる部分が多く感じられます。
さらに、母系には名牝クラフティワイフの血を引いており、この一族からはカンパニーやトーセンジョーダンなど、年齢を重ねてGⅠを制した馬が複数輩出されています。
5歳シーズンの飛躍に期待がかかるタスティエーラ。ぜひ注目してほしい1頭です!
まとめ
今回の記事では、「リスグラの法則」について紹介しました。
これは、名牝リスグラシューの成長パターンをもとに、未完の大物を見抜くための予想法です。世間の評価より一歩早く、激走のタイミングを見極めることで、馬券の妙味も狙うことができます。

あの馬はもう終わった…
そんな声が聞こえても、この法則を知っていれば、来るべきチャンスにしっかり備えられます!今後も該当馬が現れた際には記事で取り上げていくので、ぜひチェックしてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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