【日本ダービー回顧】クロワデュノール、宿命を超えた戴冠!キタサンブラック産駒がついに頂点へ!

この記事はこんな方にオススメ!
・自分の予想が当たらなかった理由を分析したい
・次走の狙い馬を見つけたい
・競馬予想を本気で極めたい

目次

レース概要

日本ダービーは、毎年5月末もしくは6月初週に東京競馬場で開催される3歳馬限定のG1競走です。

芝2400mの舞台で行われるこのレースは、競馬界における「最高の栄誉」とされ、すべてのホースマンが憧れる「競馬の祭典」として知られています。

イギリスのダービーステークスをモデルに1932年に創設され、現在では日本競馬のクラシック三冠レースの一つとして位置付けられています。

レース

世間の注目が集まった先行争い。その中で、まずハナを切ったのは大外枠から果敢に飛び出したサトノシャイニングと武豊騎手でした。しかし、その動きをさらに上回る形で外からホウオウアートマンが交わし、単騎で逃げる展開に持ち込みます。

各馬の隊列も次第に整い、クロワデュノールは好位でじっくりと脚をためる形。そのすぐ斜め前にはショウヘイ。ファンダムは中団よりやや前、マスカレードボールはその少し外。ミュージアムマイルはさらにその後ろからレースを進めるという、上位人気勢の位置取りでした。

レースはホウオウアートマンが前半1000mを60秒ちょうどのラップで通過。その後もペースが緩まなかったことで、力のある馬たちにとっても試練の中盤となりました。

迎えた直線、残り400mでクロワデュノールが早めに抜け出すと、そこから一気にスパート。それを目がけて唯一迫ってきたのがマスカレードボールでした。鋭く脚を伸ばし、最後の最後までクロワデュノールに食らいつきましたが、振り切ったのはクロワデュノール。

1番人気の支持に応える堂々たる勝利で、クロワデュノールが「ダービー馬」の称号を手に。世代の頂点に立ちました。

2着は末脚で見せ場をつくったマスカレードボール、3着にはショウヘイが粘り込みました。一方で、皐月賞馬ミュージアムマイルは6着、無敗で臨んだファンダムは14着と、上位人気勢力の中で明暗がくっきり分かれる結果となりました。

父が果たせなかったダービーの称号を獲得

クロワデュノールの父キタサンブラックは、G1を7勝し歴史にその名を刻む偉大な存在です。ただ、そのキタサンブラックでも叶えられなかったダービー制覇。

ダービーでは、直線で先頭に立つ見せ場を作ったものの、ドゥラメンテをはじめとする強力なライバルたちに差され、結果は14着の大敗に終わりました。

そんな父の無念を受け継ぐように、これまでイクイノックスソールオリエンスといった代表産駒たちもダービーの栄冠を目指しましたが、あと一歩のところで届かず。ダービーの壁は高く、厚いものでした。

そして今年。クロワデュノールがその壁を乗り越え、ついに「キタサンブラック産駒初のダービー制覇」という悲願を達成。直線で見せたあの力強い伸びには、父や先輩たちの想いも乗っていたように感じられました。

まだまだキャリアはこれから。世代の頂点に立ったクロワデュノールが、これからどんなドラマを描いていくのか――その一歩一歩を見届けていきたいですね。

上位馬の評価

1着 クロワデュノール

勝負は1コーナーまでに決まっていた。そう言っても過言ではない、まさに横綱相撲の内容でした。

スタートからスムーズに好位を確保すると、道中は慌てることなく、手応えも抜群。勝負どころでも余裕のある走りで、直線では満を持して抜け出す完璧な競馬。総合力で他馬をねじ伏せた堂々の勝利でした。

Sir Ivorのクロスを持つキタサンブラック産駒というイクイノックスとも共通する特徴。

ベストは中山」と僕は評価をしていますが、それはイクイノックスにも言ったことです。この馬たちのような、総合的なポテンシャルが高い馬は、舞台を問わず活躍できる器だと感じさせます。

とはいえ、イクイノックスと比べるとクロワデュノールは“伸び”で魅せるタイプではなく、馬力で押していくイメージ。超高速馬場では、より適性のあるタイプに脚元をすくわれる可能性もあるかもしれません。

それでも、今回のような展開を堂々と制した姿は、今後の活躍を大いに期待させるものでした。

2着 マスカレードボール

負けて強し」この一言に尽きる走りでした。与えられた枠や展開を考えれば、これ以上ない競馬だったと言えるでしょう。

スタート直後の動きを見ると、もう一列前のポジションを狙っていたようにも見えましたが、すぐにプランを切り替えてクロワデュノールの背後を確保。外目を回しながらも無駄な消耗を避け、終いにしっかりと脚を使える形を作りました。

そのすべてを冷静に判断し、導いた坂井瑠星騎手の騎乗は見事の一言。枠順の差は多少あれど、それを補って余りある立ち回りでした。それでも届かなかったのは、勝ち馬が強かったということでしょう。

マスカレードボールにとっては何一つ悲観する必要のない2着。むしろ、今後への可能性を大いに感じさせる内容でした。

今後はクラシック戦線にこだわらず、自分の得意な条件を極めていけます。キャリアを重ねていく中で、さらなるタイトル獲得へと近づいていくはずです。

姉にはローズS勝ち馬マスクトディーヴァがいる良血で、牝系を遡ればアグネスアークコイウタウォーターリヒトなど東京で好走歴のある実力馬たちの名前も並びます。

夏を越えて本格化したとき、東京コースでさらなる進化を遂げる姿が見られるのではないでしょうか。今後が非常に楽しみな一頭です。

3着 ショウヘイ

内枠を活かしてスムーズに好位を確保できたのは、この日の枠順を考えても非常にナイスな立ち回りでした。道中はクロワデュノールと並ぶような位置で折り合いをつけながら追走。しかし直線では、勝ち馬にスッと抜け出されると差が広がり、最後はマスカレードボールにも交わされての3着という結果でした。

サートゥルナーリア産駒らしく、本来は溜めて末脚を引き出す形が理想だったかもしれませんが、今回は内枠を利して前々での競馬。そのあたりは、枠順との兼ね合いもあり仕方のないところでしょう。

一方で、母系にはスタミナ豊富な血が流れており、消耗戦の展開でも最後まで踏ん張れたのはその裏付けがあってこそ。今回は完璧な条件ではなかったと考えると、さらなる上積みの余地も十分にありそうです。

この馬の持つスタミナと瞬発力を活かすなら、例えば将来的に天皇賞春といった長距離G1で躍動する姿も想像できます。今回の内容を踏まえても、今後の成長と適性の広がりには大いに注目したい一頭です。

次走狙い馬(ドーベル印)

5着 エリキング

序盤は無理にポジションを取りに行かず、インの後方にすっと収まる形に。結果的には前残りの展開に泣く形となりました。

それでも、直線では鋭い末脚を繰り出し、上がり最速を記録して掲示板内に滑り込み。着順以上に評価すべき内容だったと言えるでしょう。

母系にはスタミナと瞬発力を兼ね備えた血が流れており、今回はそれを活かせる流れと舞台設定でした。これまでのレースでは、その持ち味を存分に発揮できる条件が整わなかったものの、今回見せた末脚はまさに本来の武器

今後も展開ひとつでG1の上位争いに加わる可能性は十分。一線級の舞台でもその末脚は通用するはずで、条件次第では一気に存在感を示してくるでしょう。

まとめ

昨年の2歳王者クロワデュノールがダービー馬のタイトルを獲得し、競馬の一年がひとつの区切りを迎えました。

7950頭の中から選ばれし18頭が最高峰の舞台に立ち、全馬が無事にゴール板を駆け抜けてくれたことに、まずは心からの拍手を送りたいと思います。

この日を境に、それぞれが新たな道へと歩み出していきます。中には再び大舞台で激突する馬たちもいるでしょう。どんな成長を遂げ、どんなドラマを見せてくれるのか…今から再会が楽しみでなりません。

そして来週からは、また新たな世代が競馬界を彩っていきます。あの無敗の三冠馬がいよいよ種牡馬として産駒を送り出し、新時代の幕開けを告げるシーズンとなりそうです。

我々競馬ファンにとっては、また次の「ワクワク」がすぐそこに待っています。これからも、終わりなきドラマとともに、競馬という素晴らしいスポーツを存分に楽しんでいきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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